メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは

昔からいくつかの危険因子が重なると動脈硬化が起こりやすくなり、その結果として脳血管障害、心血管障害が引き起こされることが指摘されていました。そのような経緯からメタボリックシンドロームという概念が生まれています。
メタボリックシンドロームでは内臓脂肪が蓄積します。単に内臓脂肪がたまるというだけではなく、内臓脂肪の蓄積によって脂肪細胞から体を守る成分の分泌が減少し、逆に脂肪細胞から体を害する成分の分泌が増えてしまうことがわかっています。



①メタボリックシンドロームの患者さんで、まだ高血圧症、糖尿病、脂質異常症を発症していない方の場合はそれらの疾患の発症を防ぐ。
②生命に関わるような脳血管疾患、心血管疾患の発症を防ぐ。
内臓脂肪の蓄積+下記3項目のうち2項目以上の危険因子=メタボリックシンドローム



腹囲:男性85cm以上 女性90cm以上+3項目中2項目以上に該当
①中性脂肪  150mg/dl以上またはHDL-コレステロール40mg/dl以下
②収縮期血圧 130mmHg以上または拡張期血圧 85mmH以上
③空腹時血糖値 110mg/dl以上

メタボリックシンドロームは動脈硬化が起こりやすい


昔から、高血圧の患者さんは高血圧でない患者さんに比べて動脈硬化が進みやすく、 心筋梗塞、狭心症などの心血管病変や脳梗塞や脳出血などの脳血管障害になってしまう確率が高くなることがわかっていました。
同様に脂質異常症(高脂血症)の患者さんや糖尿病の患者さんも、それらの疾患がない患者さんに比べて心血管病変や脳血管障害が起こりやすくなることがわかっています。そのために、明らかに高血圧があったり、脂質異常症があったり、糖尿病があった場合には、その治療目標は、それぞれの病気をコントロールして、最終的には心疾患や脳血管障害などの臓器障害をいかに防ぐかということにありました。
このように、明らかに診断基準を満たす「高血圧」「脂質異常症(高脂血症)」「糖尿病」の患者さんに対しては心疾患や脳血管障害の進展予防という観点も治療目標のなかに入っていました。



今までは、健康診断などで、中性脂肪がちょっと高いだけであったり、善玉コレステロールがちょっと低い値であったり、空腹時血糖がちょっと高い値であったり、血圧がちょっと高い値であったりしても、それぞれ、「脂質異常症(高脂血症)」「高血圧」「糖尿病」の診断基準を満たすことがないので、「このくらいの値であれば、高血圧や脂質異常症(高脂血症)、糖尿病とは言えないので、まあ、いいでしょう」とそのまま様子をみていくことが多かったのです。
ところが近年になり、内臓脂肪が蓄積している場合には、中性脂肪やHDL-コレステロールの値、血圧の値、血糖の値がそれぞれ高脂血症、高血圧、糖尿病という診断基準を満たすことがないようなわずかな変化であったとしても、それらの要因が重なると動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞などの心血管病変や脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が起こりやすくなっていることがわかってきたのです。
現在日本人の死因の第2位が心血管病変、第3位が脳血管障害になっています。将来、命にかかわる狭心症や心筋梗塞などの心血管病変や脳梗塞や脳出血などの脳血管障害から自分の身を守るためにも、メタボリックシンドロームの早めの診断とその対応が大事になります。

肥満には2つのタイプがあります。


おへそのまわり、わき腹、腰のあたりをつまんでみて、指でたっぷりとつまめる脂肪は?
皮下脂肪のタイプです。
おなかの中身がパンパンにつまっていて、皮膚が伸びきっていると指で脂肪をつまむことが出来ません。
内臓脂肪のタイプです。

メタボリックシンドロームという事がわかったら

内臓脂肪を減らすことが大事です。内臓脂肪を減らすための基本は「食事療法」と「運動療法」になります。食事、運動療法を行うと、まず、減っていくのがこの内臓脂肪です。
腹囲1cmを減らす(=体重1kを減らす)のに、約7000kcalの消費が必要です!
腹囲1cmを減らすためには体重を1kg減らす必要があります。そのために必要なカロリー消費量は7000kcalと言われています。このカロリー消費を食事療法だけ、あるいは運動療法だけで消費することは難しいと考えられます。このために、メタボリックシンドロームでは「食事療法」と「運動療法」が車の両輪のように、治療の中心となってきます。



メタボリックシンドロームにおいて内臓脂肪の減少が大事です。そのためにまず、つかんでおきたいことがご自身の標準体重です。標準体重は以下の計算式で計算します。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
例) 身長160cmの場合 1.6×1.6×22=56.3kg となります。標準体重は決してこの体重が目標値というわけではなく、ひとつの目安の値です。



(総摂取カロリー)=(標準体重 kg)×25-30kcal
(例) 標準体重が60kgの方の場合
(総摂取カロリー)=60×25-30kcal=1500-1800 kcalとなります。



何事も自分の目指すところが決まらなければ物事は成就しません。まずは自分の健康管理は自分で行うことを心に決めましょう。そして目標とする体重を決め、現在の体重との差の値を求めましょう。




例)体重80kgの方が30日間で78kgを目標とした場合。
30日間で必要な消費カロリーは(80-78)×7000=14000kcalとなります。
このカロリーを食事、運動療法で均等に分配すると食事療法の分としては30日間で7000kcal(1日あたり233kcal)の減量、運動療法の分としては30日間で7000cal分の運動量(1日あたり233kcal)の増加となります。


【参考HP】

自分の行った運動がどれくらいの消費カロリーになるのか、なかなか簡単にはわかりません。そのような方は以下のHPを参考にしてください。
運動でのカロリー消費をつかもう(下記HPで運動による消費カロリーが算出されます)
ダイエットナビあなたの運動消費エネルギー量を簡単計算運動消費カロリー計算機


自分が食べた食事がいったいどれくらいのカロリーになるのか?これも簡単にはわかりません。 そのような方は以下のHPを参考にしてみてください。
食品の摂取カロリー計算簡単!栄養andカロリー計算

メタボリックシンドロームの治療について

メタボリックシンドロームの治療の基本は前述した「食事療法」「運動療法」になります。 メタボリックシンドロームに対する治療においては、残念ながらまだ特効薬はない状態です。



1. メタボリックシンドロームによってもたらされる心血管病変、脳血管病変の進行を抑制する。
2. メタボリックシンドロームの方でまだ、高血圧、高脂血症、糖尿病を発症していない方は


これらの病気が発症することを抑制する。
1.2.の目的のために使用する薬としての特効薬はありません。従来は血圧の薬として、高脂血症の薬として、糖尿病の薬として使用されている薬の中にも動脈硬化を予防したり、糖尿病の発症を予防したりする効果がある薬があることが少しずつわかってきております。しかし、メタボリックシンドロームの根本的な治療薬の開発、あるいは効果が十分に期待される薬の登場にはまだ時間がかかると考えられます。


メタボリックシンドロームは心血管病変、脳血管病変の危険因子となっています。
早期診断、早期対応によって心血管病変、脳血管病変から自分の体を守る努力をしていきましょう!

 

【参考HP】
健康づくりのための運動指針2006
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