呼吸器科
気管支喘息
口から肺へと続く空気の通る道(気道)が狭くなってしまうために、呼吸が苦しくなりヒューヒューゼイゼイと音を立てながら呼吸をする状態となる病気が気管支喘息です。
気管支喘息のときに、気道が狭くなる理由として挙げられる大切なことは「気道の炎症」と気道の炎症に伴う「気道過敏性の亢進」です。
(アストラゼネカHPより引用)
1.気道の炎症:
人間の体は免疫作用によって外敵から守られています。ところが気管支喘息の患者さんはこの免疫作用(外的から自分を守ろうとする兵隊さんの役割)が過剰に
作用してしまうために、この過剰な自己防衛反応によって気管の壁が厚くなったり、粘り気のある痰がたくさんでるようになったりして気道が狭くなってしまう
のです。
2.気道過敏性の亢進:
もうひとつ気道が狭くなる理由が気道過敏性の亢進です。気管支喘息の患者さんは気道の上皮細胞が壊されるとその下にある神経がむき出しの状態となるので、
ほんの少しの刺激(気温や気圧の変化、刺激性物質など)でも気道が反応しやすくなってしまいます。これを「気道過敏性の亢進」といいます。
「気道の炎症」や気道の炎症に伴う「気道過敏性の亢進」によって気管支のまわりにある「気管支平滑筋」という筋肉が収縮しやすくなります。このように、気道の炎症や気道過敏性の亢進によって気管が狭くなると喘息の症状が出現します。
気道を刺激する原因として、ダニ、ホコリ、お酒、タバコの煙、大気汚染、運動、かぜ、過労、ストレス、気候や気温の変化があります。
(萬有製薬HPより引用)
気管支喘息はその重症度に応じて下記のように分類されています。
(喘息予防・管理ガイドライン2006より引用)
(アストラゼネカHPより引用)
①喘息の治療は「発作を予防するための治療、長期管理の治療(コントローラー)」と「発作が出たときに発作を鎮めるための治療(発作治療薬)」に分けられます。
長期管理のための薬は発作があるなしに関わらず、気管支喘息の状態をコントロールするために定期的に使用する薬のことを言います。発作を鎮めるための薬は
喘息発作が起こったときにだけ使用します。このように治療の目的によって薬の使い分けをすることが大事です。
【発作を予防するための薬(コントローラー)】
(I)吸入ステロイド:
「喘
息予防・管理ガイドライン2006」では喘息の治療薬として吸入ステロイドは第一選択薬(一番最初に使う薬)として挙げられています。ステロイドの吸入に
よって「気道の炎症」が抑制され喘息の症状が改善します。ステロイド吸入薬の普及に伴い、喘息によって死亡する患者さんの数が減っていることがわかってい
ます。ステロイドの副作用については、内服や注射の投与法に比べて吸入の方法では、口腔内カンジダなどの局所のものを除けば全身性の副作用はほとんどあり
ません。
(II)長時間作用性β2刺激薬:
吸入ステロイドと併用することで効果が増大します。
吸入薬、貼付薬、経口薬があります。
(III)ロイコトリエン拮抗薬:
吸入ステロイドとは別の機序で気道の炎症を抑制し、喘息の症状を改善します。
(IV)テオフィリン徐放製剤:
気管支を拡げる作用によって気管支喘息の症状を改善します。長期にわたって内服する場合に副作用を起こさないようにするためには、定期的に血液中の薬の濃度を測ることも大事になります。
(V)抗アレルギー薬
(i)ロイコトリエン拮抗薬:
ステロイドとは別の機序で気道の炎症を抑制し、喘息の症状を改善します。
(ii) その他の抗アレルギー薬
※ 喘息治療の目標は最小限の薬剤で最大の効果を得ることです。しかし、治療開始の初期や症状の増悪時にはやや多めの薬剤を使用し、状態が安定していくととも に、薬剤を減量していくという方法をとります。これをステップダウンといいます。ステップダウンは、通常2-3ヶ月間薬剤を使用して現在の治療が安定して いることを確認してから行います。いったん薬を始めたり、薬を増量したりすると、自覚症状としては改善することが多く、なかには自覚症状が改善したため途 中で薬をやめてしまう患者さんもいらっしゃいます。しかし、自覚症状が改善したからといって必ずしも喘息そのものの状態が安定しているとは限りません。自 覚症状が安定しているからという理由で、喘息治療を途中で中断してしまったために、発作が誘発されてしまうこともあります。そのために、ピークフローメー ター(「喘息の管理について」の項目を参照してください)を使って客観的に状態を把握し、一定の期間を経てから状態の安定を確認し、その後に薬の減量をは かっていくことが大事になります。
【発作を鎮めるための薬(発作治療薬)】
短時間作用性β2刺激薬:喘息発作時に使用します。最初の1時間は20分ごと、以後は1時間ごとを目安に発作が改善するまで吸入をします。短時間作用性
β2刺激薬の吸入で症状が改善しない場合には医療機関の受診がすすめられています。治療においてはこの短時間作用性β2刺激薬(発作治療薬)をできるだけ
使用しなくてもいいように長期管理の治療(コントローラー)を調整することが大事になります。
※ 喘息死はいまだに無視できないことです。
吸
入ステロイドの普及とともに、気管支喘息で死亡する方の数が減ってきていることがわかっています。しかし、それでも喘息死となってしまう方が年間3000
人ほどおられます。そして喘息死となってしまう方は必ずしも喘息の重症の方ばかりではありません。それは「これくらいはいつもの発作だから発作を鎮める薬
(短時間作用性β2刺激薬)を使っていれば大丈夫」と安心してしまって病院を受診する機会を逃してしまうことがひとつの原因です。このために①過度に短時
間作用性β2刺激薬に頼りすぎるのではなく、ふだんから長期管理としての喘息の治療(コントローラーとしての治療)をしっかりと行うこと、②短時間作用性
β2刺激薬を使用しても反応が不良な場合には早めに医療機関を受診することが大事になります。
【喘息日記をつけることで早めの対処をしよう】
気管支喘息は定期的な治療をしていたとしても、風邪をひいたり、アレルゲン(喘息の原因となる物質)に暴露したり、季節の変わり目であったり、気候が変化 したり、ストレスが加わったりといろいろな条件によって状態が左右されます。咳、喘鳴、呼吸困難などの自覚症状も大事ですが、喘息の状態を把握するための 客観的指標として大事なものが、ピークフロー値になります。ピークフロー値とはできるだけ深く息を吸い込んだ後に、できるだけ速くはきだした息の速度のこ とでピークフローメーターを使って自宅で測定します。喘息のコントロールが悪くなるとこの値が低下します。性別や年齢、身長によって値が異なりますが、目 安となる値(あるいは自己ベストの値)の80%以上を保つことが大事です。この値を定期的に測定することで自分の喘息の状態を客観的な数値として把握する ことができます。
(「ぜんそくを知るための7つのポイント」 アボットジャパン株式会社より引用)
「喘息予防・管理ガイドライン2006」では喘息管理の目標として以下の項目があります。
① 喘息症状がわずか(できれば消失)、夜間症状がわすか(できれば消失)
② 喘息増悪の少ないこと(できれば稀に)
③ 喘息発作による死亡のないこと
④ 経口ステロイド薬使用がわずか(できるだけ不使用)
⑤ 運動を含む活動の制限がないこと
⑥ 呼吸機能がほぼ正常であること
⑦ PEF値(ピークフロー値)の日内変動が20%未満(できれば10%未満)
⑧ PEF値がほとんど正常
⑨ 薬剤の副作用が少ないか、あるいはない
⑩ 短時間作用性β2刺激薬の吸入をほとんど使用しない
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喘息発作の予防には生活環境の改善と日ごろの心がけが大切です!
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(「ぜんそくを知るための7つのポイント」 アボットジャパン株式会社から引用)
気管支喘息であってもきちんとコントロールさえできれば、普通の生活をすることができます!
【参考HP】| 社団法人日本呼吸器学会HP | http://www.jrs.or.jp/citizen/index.html | |
| 社団法人日本アレルギー学会HP | http://www.jsaweb.jp/ | |
| アストラゼネカHP | http://www.astrazeneca.co.jp/patient/index.html | |
| 萬有製薬HP | http://www.banyu.co.jp/ | |
| グラクソスミスクラインHP | http://glaxosmithkline.co.jp/ | |
| 大日本住友製薬HP | http://www.ds-pharma.co.jp/ |



